ガス給湯器のオート・フルオートの違い

ガス給湯器のオート・フルオートの違い

給湯器にはいくつか種類があり、主に給湯専用とオート、フルオートに分類されます。それぞれ異なる機能を備えたオートとフルオートの2違いを理解していないとどちらを選べばよいのか悩むところかもしれません。今回はガス給湯器のオート、フルオートの違いについて解説します。

ガス給湯器は、どれを選んでも同じと思っていませんか。実はガス給湯器にはそれぞれ異なる機能を備えたオートとフルオートの2種類があり、違いを理解していないとどちらを選べばよいのか悩むところかもしれません。
今回は、「オートとフルオートの違いは?」、「給湯器を買い替えるとき、どちらを選べばいいの?」、「それぞれのメリットとデメリットが知りたい!」などガス給湯器のオート・フルオートの違いに関する疑問に詳しくお答えします。

ガス給湯器のオート・フルオートとは

ガス給湯器には、大きく3つにわけられます。

  1. 追い焚き機能付きタイプ
  2. 給湯専用タイプ(追い焚き機能なし)
  3. 給湯+高温水供給タイプ(追い焚き機能なし)

オートとフルオートはどちらも、「1.追い焚き機能付きタイプ」に当てはまります。
また、オートに「自動たし湯」「追い焚き配管自動洗浄」「入浴検知自動沸き上げ」「残り湯の自動沸かし直し」の機能がプラスされたものがフルオートです。

ノーリツで製品は現在オートのことを「シンプル」、フルオートのことを「スタンダード(もしくはプレミアム)」という名称でも呼んでいます。

オートタイプとは

オートタイプのガス給湯器は、「お湯はり」「追い焚き」「保温」までが自動です。たし湯(お湯を足したいとき)は手動でボタンを押して行います。

フルオートタイプとは

フルオートタイプのガス給湯器は、「お湯はり」「追い焚き」「保温」「たし湯」まで、すべて自動です。たし湯により、設定した湯量から一定の水位が下がると自動で行われるので湯量がキープされます。

さらに、入浴後に浴槽のお湯を抜く際、一緒に配管の洗浄をする「自動洗浄機能浴槽」、人が入ったことを検知しぬるくなってしまったお湯を自動で設定温度まで沸き上げる「自動沸き上げ機能」もあります。
前日の残り湯を沸かし直したい場合は、自動で設定水位を保ち沸かし直すことができます。

ガス給湯器のオート・フルオートの違い

オートとフルオートの違いを表にまとめてみました。

機能 オート フルオート
給湯
おいだき
自動湯はり
自動おいだき・自動保温
自動たし湯
おいだき配管自動洗浄
入浴検知の自動沸きあげ
価格 安価 高価

オートとフルオートは、追い焚き付き給湯器の二つの種類を指します。これらの違いは、主にお風呂に関する機能を手動で行うか、すべて自動で行うかにあります。

また、利用可能な機能も少しずつ違います。フルオートタイプは、「自動お湯はり」「自動追い焚き」「保温」の機能に加えて、お風呂の湯量が減少すると自動的にお湯を足す「自動たし湯機能」が付属しています。

さらに、「自動洗浄機能浴槽」は入浴後に浴槽のお湯を抜きながら配管を洗浄します。「自動沸き上げ機能」は、人が入浴したことを検知し、ぬるくなったお湯を自動的に設定温度まで沸き上げます。

前日の残り湯を再加熱したい場合は、自動で設定水位を保ちながら沸かし直すことが可能です。つまり、入浴前、入浴中、お風呂から上がった後、さらにそのお湯を再加熱する際も、フルオートはお風呂に関する全ての作業を自動で行います。

フルオートの4つの機能

フルオートに備わっている便利な4つの機能である「自動たし湯」「追い焚き配管自動洗浄」「自動沸き上げ」「自動沸き直し」についてそれぞれ詳しく解説します。

これらはオートには付いていない機能になります。

自動たし湯

自動足し湯とは、お湯の量が少なくなったことを自動で検知し、あらかじめ設定した水位まで自動でお湯をたしてくれる機能のことです。ほかの人が入浴したあと、浴槽のお湯が減ってしまうことがありますが、常に一定の湯量を保つので後から入浴する際に、湯を足しながら入るということはありません。

追い焚き自動配管洗浄

日々の入浴で汚れが溜まった配管を、浴槽の栓を抜くだけできれいに洗浄してくれる機能です。追い焚き配管の雑菌が溜まっていそうで心配な方には、自動で洗浄してくれる嬉しい機能です。水垢や入浴剤まで洗い流してくれるため、毎日清潔なお風呂に入れます。

入浴検知による自動沸き上げ

ぬるくなったお湯を沸き上げる機能です。この自動沸き上げの機能は人が湯船に入ったことを検知するため、冷え切った体で入ったときや2番目以降の入浴でお湯の温度が下がってしまってもまた快適な温度で入浴できます。

残り湯の自動沸き直し(「ふろ自動」を押した場合)

前日の残り湯を沸かし直して入浴したい場合など、「ふろ自動」を押すだけで湯量を自動で調整し設定した水位で沸かし直しができます。

ガス給湯器のフルオートタイプのメリット

フルオートのメリットは、なんといっても機能の多さにあります。お湯はりから追い焚き、保温自動、足し湯まですべて全自動で行えるのはとても便利です。
自動足し湯機能がお湯を常に一定量のままなので、世帯人数の多いご家庭でもお湯を減らすことなく快適に入浴できます。

ほかにも、追い焚き配管自動洗浄をはじめ、入浴検知機能による自動沸き上げなど、さまざまな便利機能が備わっているのが特徴です。

たし湯まで自動でできる

これまでに利用した湯量や浴槽内のお湯の冷め方、お湯温減り方などを学習し、家庭ごとにそれぞれに合った給湯、保温、たし湯などを行えます。

お手入れに手間がかからない

追い焚き機能が付いているため、追い焚き配管が設置されています。配管の掃除が面倒に思われるかもしれませんが、フルオートタイプでは多くの機種に自動洗浄機能が付いており、いつでも衛生面が保たれるようになっています。

ガス給湯器のフルオートタイプのデメリット

フルオートタイプは多機能で便利である反面、それだけコストがかかります。メリットしかないように感じるフルオートですが、費用面が高くなるのは事前に知っておいたほうがよいでしょう。

初期費用(本体価格)や維持費用(光熱費用)がやや高くなる

フルオートタイプは給湯や追い焚きだけでなく、たし湯や沸き上げなどさまざまな便利機能を備えており、それらをすべて自動で行ってくれます。
その分、導入コストが高くなる可能性が高いでしょう。また、自動たし湯や沸かし直しを頻繁に行えばそれだけランニングコストもかかってきます。

さらに追い焚き用の配管が必要になるため、はじめて導入するご家庭は配管工事費がかかります。多機能であるがゆえ、費用面はオートに比べて高くなってしまうのはデメリットといえるかもしれません。

ガス給湯器のフルオート、オートはどちらを選べばよい?

オートはフルオートに比べて給湯器交換にかかる費用は比較的安価です。また、シンプルな機能のためランニングコストも抑えられます。

一方、フルオートは多くの便利な機能を自動で行えて、衛生的にも安心して使えます。どちらも入浴スタイルや家族構成によってメリットやデメリットが変わってくるため、ご自身の環境に合わせたより便利なほうをお選びください。

フルオートタイプがおすすめのケース

お湯はりから保温、追い焚きなどお風呂にまつわることすべてを自動で行いたい方、残り湯を頻繁に沸かし直したい方、大家族や高齢の方などはフルオートが簡単で便利に使えます。また、配管の汚れが気になるのでこまめに自動洗浄まで行いたい方にもおすすめです。

オートがおすすめのケース

給湯器にあまりコストをかけたくない方、沸かし直しを行なう機会が少ない方はオートがおすすめです。お湯張りから追い焚き、保温は自動で行い、たし湯は自分で必要と思ったときに手動でやりたい方にとってはオートで問題ありません。

まとめ

フルオートは、お風呂に入る際の便利な機能をすべて自動で行ってくれます。多くの機能が備わっている反面、導入コストはどうしてもかかります。費用面をデメリットと捉えるかは、各ご家庭の世帯人数や状況によって異なります。メリットとデメリットの両方を理解して、より便利にお使いいただけるものを入浴スタイルや状況に合わせてお選びください。

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