エアコンを使用しているのに、部屋がなかなか暖まらないとお悩みではないでしょうか。
あまりにも寒い日にはエアコンの効きが悪くなりますが、寒い以外にも部屋が暖まらないのにはいくつか原因が考えられます。エアコンの暖房機能は冷房機能と比べるとパワーを多く必要とするため、上手く使用しないと電気代がかなりかかります。電気代を抑えるためにも、エアコンが正常な状態かの確認を行う必要があります。
そこで今回は、エアコンの暖房機能が上手く作動しない原因と対処法について解説します。効率よく部屋全体を暖める方法も紹介しますので、ご自身のエアコンと照らし合わせながら確認してください。
エアコンの暖房が効かない原因と対処法
今まではエアコンの暖房機能が使えていたのに、いつのまにか暖かい風が出てこない場合や、暖房機能を使用しても部屋が暖まらない原因はいくつかあります。
暖房機能が正常に作動しない原因を知れば効率的に対処できるため、具体的にどのような原因で部屋が暖まらないのかを確認しましょう。
空気の循環ができていない
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れる性質があります。 暖かい空気が偏っている場合があるため、まずは部屋全体の空気循環を確認してください。
部屋の上のほうに暖かい空気が溜まるため、ロフトなどがある天井が高い部屋では、部屋全体がなかなか暖まりません。
したがって、暖かい空気を下に流すにはエアコンの風向きを調整する必要があります。
エアコンの吹き出し口の向きが上向きになっている場合は、下向きに調整をしましょう。
エアコンの風向きは、リモコンで簡単に変えられます。エアコンの風向きのボタンをして、風向きを下向きにして部屋全体に暖かい空気を循環させましょう。
また、風向きだけでなく、風量も「強」にしてください。弱い風量では部屋全体に空気を循環させられないため、すぐに部屋を暖めたい場合は風向きを下向きにして風量を強にします。
リモコンの設定ミスや反映ミス
部屋が暖まらない原因は、リモコンの設定や反映ミスの可能性も考えられます。リモコンで暖房機能を押したと思っていても、実際は送風機能を押してしまっている可能性もあります。
また、電池が切れていたり、エアコン本体に電波が届いていなかったりする場合もあるため、エアコンのボタンを押した際に風の強さや暖かさが変わるかをよく確認する必要があります。
よくあるミスとしては、障害物があるのにリモコンを操作するケースです。リモコンの電波は壁や障害物を貫通しないため、遮蔽物があるとエアコン本体に電波が届きません。
リモコンを押して音が鳴っても、エアコン本体には電波が届いていないことがよくあるため、吹き出し口に手をかざして直接確認するのがよいでしょう。
霜取り運転をしている
部屋が暖まらない原因には、霜取り運転になっている可能性があります。霜取り運転とは、霜を取り除く機能のことです。
寒い時期には空気中の水分が凍ってしまうため、エアコン内部で一定期間に自動で霜を除去する作業がおこなわれます。この霜取り運転が稼働しているあいだは、暖房機能は一時的に止まります。
したがって、霜取り運転が行われている場合は部屋の温度がなかなか暖まらないため、一度エアコンの状態を確認してみましょう。霜取り運転はエアコンの機種によって異なりますが、10分~15分ほど霜取り運転をおこなったあとに正常運転に戻ります。
もしエアコン本体が止まったり動いたりを返している場合は霜取り運転が原因の可能性が高く、故障ではないので安心してください。
霜取り運転はエアコンに必要な動作であるため、強制停止はできません。霜取り運転が開始したら、正常運転に戻るまでに少し時間をかけて待つ必要があります。
エアコン本体に汚れがある
エアコンの本体が汚れていないかを確認しましょう。エアコン本体が汚れていると、うまく温風を室内に送り出せないだけなく、最悪の場合は故障の原因ともなります。
エアコンのフィルターや吹き出し口の汚れを確認し、もしカビやホコリが溜まっている場合は、タオルに水と洗剤をつけて拭き取りましょう。
汚れを拭き取ったあとは濡れた状態を放置するとカビを誘発させるため、十分に乾かす必要があります。 フィルターや吹き出し口の掃除は自分でもできますが、エアコン内部のファンや熱交換器の掃除はなかなか個人では作業が困難です。
エアコンを分解して元に戻せる方は問題ありませんが、もしご自身で分解できない場合は専門業者に依頼して掃除をしてもらうのが得策です。
長年エアコンの掃除をしていない方は、もしかすると目に見えないエアコンの内部にまで汚れが蓄積されて、暖房機能がうまく作動していない可能性があります。
室外機に不具合がある
室外機に不具合が発生していると、正常にエアコンが作動しないことがあります。熱交換器は外気と室内の空気を交換する際に重要な役割を果たすため、壊れていると暖かい空気を室内に送り出せなくなります。
また、故障だけでなく室外機の周辺に物が置かれていないかも確認してください。室外機の周りに物を置いていると、室内からの空気をうまく外に排出できず、部屋を暖められない原因となります。室外機の前には物を置かず、送風する風を妨げないようにしましょう。
また室外機のフィルターに汚れが溜まっていたり、草がからまっていたりする場合もエアコンが正常に作動しません。一度室外機のフィルターの状態を確認して、もし汚れている場合は清掃して正常な状態で使用しましょう。
エアコン性能と部屋のサイズがあっていない
部屋のサイズに対して、エアコンの性能があっていないと部屋全体に暖かい空気が循環しません。
エアコンの機種によって暖房の出力パワーが異なるため、部屋の大きさに適した機種を選ぶ必要があります。たとえば、ワンルームタイプのエアコンを広い部屋に設置しても、室内はなかなか暖まりません。
また、部屋の天井の高さも考慮しましょう。部屋が大きくて天井が高い部屋では、エアコンを設置しても暖かい空気が上に逃げてしまい暖まりにくくなります。ワンルームでもロフトが付いている部屋では、空気がロフトに逃げる場合があります。
適正サイズのエアコンを購入しても天井が高すぎると効果が薄れるため、部屋の広さや天井の高さに応じてエアコン以外の暖房器具も組み合わせて使うことをおすすめします。
エアコンの暖房を効率よく稼働させる方法
エアコンの暖まらない原因が理解できれば、次は効率よく暖房を稼働させる方法について知る必要があります。エアコンの暖房機能を効率よく稼働すれば、部屋全体の暖まるスピードが早くなり電気代を抑えられます。
具体的にどのようなことをすれば効率的に稼働させられるかみてきましょう。
エアコンの風向きを下げる
部屋がなかなか暖まらない場合は、エアコンの風向きを下向きにしましょう。暖かい空気は上にいく性質があるため、エアコンの風向きを下に向けると部屋全体の空気循環がよくなります。エアコンの向きを上に向けていると、部屋が暖まらないだけでなく足元が極端に冷たくなります。
また、エアコンの風向きを自動に設定している場合、はじめは下向きに送風されていても、時間が経つと自動で上向きに変わっていることがあります。エアコンのスイッチでエアコンの風向きを簡単に変えられるため、暖房を起動する際は下向きに設定して稼働させましょう。
断熱シートや遮熱カーテンを使う
断熱シートや遮熱カーテンを利用すれば、冷たい空気の侵入を防げます。
カーテンを閉めずに暖房機能を利用している方がいますが、カーテンを閉めないで暖房機能を使用するとなかなか部屋は暖まりません。外から冷たい空気が侵入し、暖かい空気が外に逃げてしまいます。
カーテンを閉めて暖房をつけてもなかなか部屋が暖まらない場合は、遮熱カーテンに取り換えるのもよいでしょう。遮熱カーテンは外からの冷たい空気の侵入を防ぎ、暖かい空気を部屋から逃がしません。さらに、窓ガラスを断熱シートで覆うと、冷たい空気の侵入を防げるため保温効果も高めます。
エアコンの暖房機能と冷房機能では、暖房機能のほうがパワーを必要とするため電気代が高くなる傾向にあります。効率的に部屋を暖めるには、遮熱カーテンや断熱シートを使うなどして暖かい空気を逃がさない工夫が必要です。
ほかの暖房器具を併用する
上記の対策を施してもなかなか部屋が暖まらない場合は、ほかの暖房器具を併用する方法もあります。
あまりにも寒い地域だったり、エアコンが故障していたりする場合は、風向きを変えても効果をそれほど実感できない場合があります。
エアコン以外にも電気ストーブやファンヒーター、電気カーペットなどがあればすぐに部屋を暖められるので、小さな暖房器具をひとつ持っておくとよいでしょう。
小さな電気ストーブやファンヒーターなどは、簡単に持ち運びができるので、洗面所や台所など色々な場所で使用できて大変便利です。
まとめ
今回は、エアコンを使用してもなかなか部屋が暖まらない原因と対処法について解説しました。
エアコンを作動していても暖まらない場合は、空気循環、フィルターの清掃、霜取り運転、エアコンの誤作動などの原因がないかを確認してみてください。 それぞれの原因に対して問題がわからなければ、エアコン本体が故障している可能性があります。その場合は修理が必要なため、業者に直してもらうか新しくエアコンを購入しなければいけません。
エアコンの暖房機能は冷房機能よりパワーが必要になり電気代が高額になってしまうため、効率のよい方法でエアコンを使用して短時間で部屋全体を暖めると良いでしょう。
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