エアコンの室内機や室外機から「異音がする」ことがあります。エアコンが故障している場合は、買い替えや修理が必要ですが、異音の原因がとくに故障ではない可能性もあります。
エアコンから急に異音が鳴り出したからといって、すぐに買い替える必要はありません。点検を行い、異音の原因を突き止め、対策を行えば正常に戻る場合もあります。
そこで今回の記事では、エアコンの異音の種類や原因と対策について解説します。注意点もいくつかご紹介しますので、エアコンの異音について気になる方は確認してみましょう。
なお、ここで紹介する内容は異音の原因を特定、担保するものではありませんのでご注意ください。
室内機から発生する異音
室内機から、変な異音がする場合があります。異音がする原因は故障の場合もありますが、何か詰まって発生している可能性もあります。
ここでは、異音の種類と原因をはじめ、対策方法についてみていきましょう。
ただし、これらの異音は必ずしも原因に起因するものではありません。異音の原因を担保するものではないため、参考程度にご確認ください。
「シューシュー」「ミシミシ」
原因 | 正常な動作音 |
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対策 | メーカー修理を呼んでも正常なため、修理ができず、出張費用がかかるかもしれないので注意。 |
「シューシュー」、「ミシミシ」という異音の場合は、とくに問題はありません。エアコン内部の冷媒ガスが流れるときに生じる音が、シューシューと聞こえル事があります。また、ミシミシ聞こえる音はエアコン内部の熱交換器の音です。冷えたり温まったりすると、膨張収縮を繰り返すことから音を立てることがあります。どちらも故障ではないので、とくに問題はないでしょう。
「キュルキュル」「カラカラ」
原因 | ファン・フィルターなどの汚れ |
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対策 | 清掃 |
「キュルキュル」「カラカラ」という異音は、フィルターやファンの汚れの可能性があります。ほこりが絡まり、異音が発生している可能性があります。一度エアコンの電源を切り、フィルターとファンを確認してみてください。ほこりを取り除くと、異音が解消されるケースがあります。
「ガタガタ」「カタカタ」
原因 | 部品不具合、異物混入 |
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対策 | 全面パネルやフィルターなど外せるものを一度外して付け直し |
「ガタガタ」「カタカタ」という異音は、部品の不具合や異物混入の可能性があります。部品がしっかり取り付けられていないときに、このような異音が発生するケースがあるので確認が必要です。前面パネルやフィルターなどを一度全部外し、正しく取り付けられているかを確認してみてください。
「ポコポコ」「ポンポン」
原因 | ドレンホースからの空気の逆流 |
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対策 | 逆止弁の設置 |
「ポコポコ」「ポンポン」という異音は、ドレンホースからの空気の逆流が原因の可能性があります。家の中と外気圧に差がある状態で、空気が出入りするとこのような音を立てる場合があります。外から空気が入らないように、逆止弁を設置すると異音が鳴らなくなる場合があります。逆止弁は異音を解消できるだけでなく、外からの虫の侵入も防げます。
「ピーピー」「ピッピッ」
原因 | エラー |
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対策 | エラーコードの特定、メーカー修理 |
「ピーピー」「ピッピッ」という異音は、エアコンに何らかのエラーが生じている場合があります。回路系統に不具合が生じているときにエアコン本体から鳴るケースがあり、同時に本体のエラー点滅ランプが点灯する場合があります。まずは、ランプが点灯していないかを確認してください。
もしエラーランプが点灯していたら、エラーコードを特定して原因を調べてみましょう。もし原因がわからずに鳴り続けている場合は、メーカー修理が必要な場合があります。
室外機から発生する異音
室外機からも、異音が発生する場合があります。室外機からの異音の種類と原因、対策についてみていきましょう。
(こちらも、あくまで一例であり、すべての異音が該当するわけではありません。)
「ギーギー」「キーン」
原因 | コンプレッサー、インバーター |
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対策 | メーカー修理 |
「ギーギー」「キーン」という異音は、コンプレッサーやインバーターに異常がある可能性があります。コンプレッサーやインバーターが劣化すると、このような異音が発生し、交換が必要な場合があります。
対策としては、メーカーに依頼して修理してもらうか、新しくエアコンを購入する必要があります。修理の場合は、新しいコンプレッサーやインバーターと交換になるため、料金が高額になるケースがあります。新しく購入するほうがよい場合があるので、エアコンの状況をみて判断しましょう。
「ガラガラ」「ガゴンガゴン」
原因 | 部品破損 |
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対策 | メーカー修理 |
「ガラガラ」「ガゴンガゴン」という異音は、室外機の内部の部品が破損している恐れがあります。内部の部品のねじが外れていたり、破損した状態で使用し続けたりすると、故障の原因につながります。
ただちに運転を停止し、メーカーへの修理の依頼が必要です。
「カタカタ」「カラカラ」
原因:異物混入
対策:運転を止めて取り除く
「カタカタ」「カラカラ」という異音は、異物が室外機内部に混入した可能性があります。室外機の隙間からゴミや虫が侵入すると、ファンと接触することでこのような音が鳴ります。
一度エアコンのスイッチを停止し、室外機内部の侵入物を取り除く必要があります。
「キュルキュル」
原因 | 異物混入 |
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対策 | 運転を止めて取り除く |
「キュルキュル」という異音は、ファンモーターの異常の可能性があります。まずは、ファンモーターに異常がないか確認してみましょう。
もし確認してみて判断がつかなければ、メーカーに連絡する必要があります。ファンモーターが劣化していると音が鳴り、買い替え、または取り換えが必要になってきます。
エアコンから異音がした場合の注意点
エアコンから異音が発生した場合は、焦らず、適切な対応をとることが求められます。異音が発生している状態を放置し続けると、エアコンの故障につながり使用できなくなる恐れがあります。エアコンから異音が発生した際に、スムーズに行動できるように次の動作を確認しておきましょう。
明らかな異音の場合は電源を切る
今まで鳴っていなかった異音が発生した場合は、とりあえず電源を切りましょう。異音が鳴っているのにエアコンを作動し続けると、故障の原因につながります。まずは、電源を切り、異音の原因を調べ、適切な対策をとる必要があります。もし異音の原因がわからない場合は、メーカーに問い合わせて相談しましょう。
まずはメーカー情報を確認する
自分でエアコンの異音について調べる場合は、メーカー情報を確認して原因を探りましょう。エアコンの取扱説明書に、故障の原因などが記載されている場合が多いです。
もし自分で調べてみてわからない場合は、メーカーに問い合わせをして確認することをおすすめします。絶対にやってはいけないのは、自分で修理ができそうと勝手に判断しないことです。エアコンは精密機械なので、少しの不具合で故障の原因につながります。
賃貸の備え付けエアコンの場合は管理会社に連絡をする
賃貸住宅でエアコンの異音が発生した場合は、大家さんか管理会社にまずは連絡をしましょう。エアコンが賃貸物に備え付けである場合は、所有権は貸主にあります。修理の義務も貸主の負担とされていて、借主は支払わなくてよいケースがほとんどです。ただし、賃貸契約によっては残置物として保証の対象外となっている場合もあるため、事前に賃貸借契約書をよく確認しておきましょう。
自分の判断で修理を行ったり、新しいものに取り換えたりすると、あとになって大きな問題に発展する可能性があります。賃貸物件のエアコンに異音が生じた際には、まずは大家さんや管理会社に連絡をしてください。
まとめ
エアコンは、室内機や室外機から異音が発生するケースがあります。異音の種類によって不具合の原因や対策方法も変わります。異音が発生していてもとくに問題がないこともあるため、どのような異音が発生しているか、まずは原因を探ることが重要といえます。また、不具合が生じた際は無理に修理をしてはいけません。故障の原因につながるため、明確に不具合の原因がわからない場合はメーカーに相談して修理を依頼しましょう。
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