エアコンを付けているのになかなか湿度が下がらず、ジメジメとした空気が漂っていることはありませんか。もしかするとそれはエアコンが送風運転に自動で切り替わり、「湿気戻り」の現象を起こしているかもしれません。
この記事では、エアコンを付けていても湿度が下がらない原因や、効果的な対策について解説します。
エアコンを付けても湿度が下がらない原因は「湿気戻り」
エアコンを付けていても湿度が下がらない場合、「湿気戻り」という現象が起こっていることが考えられます。
湿気戻りが起きる原因
湿気戻りが起こるのは、エアコンの設定温度と室温に関係しています。
冷房運転によって室内の空気が冷やされて室温が設定温度にまで達すると、冷房運転は一旦ストップして、室外機も運転を停止します。
しかし室内機は運転を継続しているため、送風状態と同じ状態になっています。これはエアコンの機能であるサーモオフの働きによって起こります。
ジメジメした空気がなかなか解消されない場合には、サーモオフが働き送風運転に切り替わっているかもしれません。
エアコンの内部には水分が多く含んでおり、送風によって室内へと水分を放出します。
エアコン内部に蓄積した水分が室内へ放出することが、湿度が下がらない「湿気戻り」の原因です。
湿気戻りの対策方法
湿気戻りは、温度や風量の設定方法に注意する、ドライ運転にするなどで対策ができます。
設定温度を下げる
湿気戻りの対策には、設定温度を下げることがもっとも効果的な方法です。
エアコンでだるさを感じる方や冷え性の方の場合、高めの温度設定にしているケースも多いです。
しかし室温がすぐ設定温度に達し、サーモオフ機能が働いて湿気戻りが起こりやすくなります。
湿度がなかなか下がらない場合には、設定温度を下げて様子を見ましょう。
ドライ運転にする
ドライ運転にするとサーモオフにならず、湿気戻りすることはありません。
そもそも湿気戻りは、エアコンの設定温度と室温が同じになることでサーモオフ機能が働き、送風状態になるために起こる現象です。
ドライ運転に設定すれば、室温には関係なく運転するため、サーモオフ機能も働きません。
ただし、ドライ運転が稼働し続けることによって室温が下がりすぎることもあるため注意が必要です。
ドライ運転には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」があります。
エアコンに搭載されている従来からのドライ運転の機能は「弱冷房除湿」といいます。
弱冷房除湿は除湿を効率的に行う機能であるため、冷やした空気がそのまま室内に放出し、使用を続けると室温が下がります。
一方「再熱除湿」は、冷やした空気を暖めてから放出する働きをするため、室温が下がりすぎることを防いでくれます。
梅雨時期など気温がそこまで高くないときに、湿度を下げたい場合には「再熱除湿」の機能がおすすめです。
ただし、エアコンの種類によって、搭載されているドライ運転の機能は異なるため、説明書を確認しておきましょう。
風量を弱くする
風量を「弱」モードに設定することも、湿気戻りをおさえる対策につながります。
風量が強いと、エアコン内部の水分が室内へと放出しやすくなり、湿度が上昇する原因になります。
湿度が下がるまでは、風量を抑えて運転するようにします。また風量を弱めて、室内を冷やすスピードをゆるやかに保つことができれば、サーモオフ機能も頻繁に働くことがなく湿気戻りの対策につながります。
とはいえ、梅雨の時期や夏場は室内の空気を循環させて、室内の湿度や温度を素早く快適に保ちたいものです。
エアコンの風量設定だけに頼らず、扇風機やサーキュレーターを併用するのもおすすめです。
フィルターや室外機を掃除する
湿気戻りには、エアコンの設定だけでなく、掃除が不足していることも考えられます。
エアコンのフィルターにホコリなどが付着していると、エアコンの効き目が悪くなります。そのため、エアコンのフィルターや室外機の掃除が大切です。
エアコンはフィルターをとおして、空気を吸ったり吐いたりして空気の調整を行います。使用すればするほど、フィルターには汚れがたまります。
汚れがたまっていると、エアコンの効き目が悪くなるため、設定温度が余分に下がり、エアコンの内部にある熱交換器が必要以上に冷やされます。
熱交換器に結露が発生してその水分が室内へと戻り、湿気戻りの現象を起こします。エアコン吹き出し部分から、水滴が漏れることもあります。
室外機に汚れがたまっていると、エアコンの性能が悪くなります。室外機はとくに外に設置しているため、ホコリや粉塵などが付着しやすく汚れがたまります。
エアコンフィルターの掃除方法
2週間に1回を目安に、エアコンのカバーを空けてフィルターを取り外し、掃除機でフィルターの汚れを吸い取ります。
汚れがひどい場合は中性洗剤で水洗いし、しっかりと乾燥させてからエアコン内部に戻します。
室外機の掃除方法
季節の変わり目で掃除しましょう。室外機の正面にある吹き出し部分と側面や裏面にある熱交換器の部分の汚れを、乾いたブラシで落とします。
外に置いてあるとはいえ、水をかけて室外機を掃除すると故障につながる恐れがありますので、おすすめしません。
湿気戻りには、フィルターや室外機の掃除の対策が効果的です。
また温度や湿度が思うように下がらない場合に限らず、定期的に掃除を行ってエアコンの性能を保ちましょう。
湿度が下がらないとどうなるのか?
室内の湿度が下がらないと、体に熱がこもりやすくなります。
人の体は暑さを感じると汗を各仕組みを備え、汗が蒸発するときの気化熱で体の表面を冷ましています。
しかし、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、気化熱によって熱を外に逃せなくなるため、体内に熱がこもりやすくなるのです。
梅雨時期から夏場の湿度が高い時期は、ジメジメしたり暑かったりして不快に感じやすく、熱中症のリスクも高まり危険です。
湿度が低いほうが汗は蒸発しやすくなり、涼しく感じます。
涼しく感じやすくなるとエアコンの設定温度を下げすぎることもなくなるため、エアコンの効率もよくなります。
快適な湿度の目安
快適に過ごせる湿度は、40~60%が目安といわれています。湿度が40~60%より高くても低くても様々なリスクが伴います。
湿度が40%を下回れば乾燥につながりインフルエンザなどの感染リスクが高まり、湿度が60%を超えるとカビや雑菌の繁殖リスクが高まります。
快適かつ衛生面から見ても、湿度40~60%をキープすることが大切です。
また季節や状況によって快適な湿度は変化します。夏場は湿度50~60%、冬場は湿度40~50%が快適な湿度の目安です。
まとめ
エアコンを付けても湿度が下がらない「湿気戻り」には、さまざまな原因があります。エアコンの設定温度や風量、運転方法を見直すことや、定期的なエアコン掃除を行うことで、湿気戻りを効果的に防ぐことができます。
快適な湿度をキープすることでエアコンの効率もよくなり、熱中症の予防や雑菌などの繁殖を抑えることにもつながります。湿気戻りの対策をして、快適に過ごしましょう。
関連記事
エアコンの化粧カバー(配管カバー)は取り付けるべき?メリットとデメリットを解説
部屋の中や家の外壁でエアコンの配管が丸見えなのが気になったことはありませんか?エアコン周辺の配管をすっきり見せたい場合は配管カバーの取り付けがおすすめです。今回は配管カバー得お取り付けるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
お掃除機能付きエアコンとは?見分け方やクリーニングの必要性について解説
エアコンは定期的な掃除が欠かせません。最近ではこの手間を省くためにお掃除機能が搭載されたエアコンが多く販売されています。しかし、お掃除機能がついているからと言って掃除をしなくてもよいというわけではありません。今回は、お掃除機能付きエアコンについて詳しく解説していきます。
エアコンを効率よく運転させるには、取付位置に気を配ることが重要です。適切でない位置に設置しようとすると、効率が悪くなるばかりか取付自体ができなくなる可能性があります。この記事では、エアコンの理想的な取付位置を、室内機・室外機の両面からご紹介します。
エアコンで部屋が暖まらないときの原因と対処法を解説!効率よく暖める方法も
エアコンの暖房機能を使用しても、部屋がなかなか暖まらないとお悩みではないでしょうか?部屋が暖まらないのにはいくつか原因が考えられます。エアコンの暖房は冷房よりもパワーを必要とするため、うまく使用しないと電気代が高くなってしまいます。今回はエアコンの暖房機能がうまく作動しない原因と対処法について解説します。
エアコンから水が漏れている…そんな経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。エアコンの水漏れが起きてしまう原因はいくつかあり、エアコンの水漏れの原因を理解すると具体的な対処ができるようになります。今回は、エアコンの水漏れの原因や対処法、水漏れを防ぐための方法について解説します。