夏本番の前にエアコンの試運転を。最適なタイミングやチェックポイントもご紹介

夏本番の前にエアコンの試運転を。最適なタイミングやチェックポイントもご紹介

各空調メーカーや自治体もこぞって推奨しているエアコンの試運転。正常に動作しているかを事前に確認し、万が一異常が発覚しても早めに修理や買い替えをすれば、安心して夏の暑い時期を迎えられます。いつごろ試運転を始めればよいのか、試運転の際にどこをチェックすれば良いかなど、具体的なポイントを解説します。

エアコンの試運転とは?本格稼働する夏の前に

エアコンの試運転とは、エアコンが本格的に稼働する6~8月になる前に運転を行い、不具合がないかどうかを確認する作業のことです。エアコンの試運転をすると、エアコンから「異臭・異音がする」「エラーランプが出る」「水漏れする」といった不具合を事前に把握できるため、暑くなる前に準備を整えておくことができます。

エアコンの運転

エアコンの試運転はいつやるのが正解なのか

4月10日は「エアコン試運転の日」

一般社団法人日本冷凍空調工業会および一般財団法人家電製品協会では、4月10日を「エアコン試運転の日」とし、夏までにエアコンの試運転を呼びかけています。
4月10日付近ではまだエアコンを本格稼働していないことが大半のため、この日をめどに試運転を頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

また、大手空調メーカーのダイキン工業では、試運転をするべき時期や目安について、「夏のエアコン試運転指数」と「夏のエアコン試運転前線」という2つの指標を設けています。ダイキン工業は、夏を快適に過ごしていただくため

「本格的に暑くなる前の4月~6月前半に試運転を行い、早めに準備を済ませていただく

と提案しています。

「夏のエアコン試運転指数」

夏のエアコン試運転指数は、試運転を行うのに適した気温やタイミングを分かりやすく把握できる目安のことです。

例えば、気温23~25℃を「最適な時期」21~22℃を「適した時期」として試運転を推奨したり、逆に26℃を超えた場合は「今すぐ実施」として促しています。気温が26℃を超えると熱中症の危険があるためです。気温を目安に考えると、試運転するべきかどうかをすぐに判断出来て分かりやすいですよね。

「夏のエアコン試運転前線」

また、もう一つの指標として「夏のエアコン試運転前線」もあります。こちらはお住まいに地域によって定められた目安です。

同じ気温の目安があっても、北海道と沖縄ではその気温になる時期がかなり違ってきます。そのため「札幌では5月19~23日ごろ」「東京では4月16~20日ごろ」と地域別で試運転の目安日を予想しています。

この予想日は各地域の過去5年間において、各年の最高気温が25℃に達した最初の日の平均としているそうです。

そのため、いつが試運転に適しているかは気温によって異なり、その気温に達するのは地域によって異なるため、一概に言うことができません。
ただ、それも4月の前半から5月の後半の範囲内には収まっているため、遅くとも6月初旬までには試運転を済ませておくと良いでしょう。

エアコンの試運転をするべき理由

このように、各空調メーカーや協会がエアコンの試運転を推奨していますが、その理由は、本格稼働の前に不具合を把握しておくことです。

虫歯になってから歯医者に行くことのないように予防歯科を呼びかけるのと同様で、暑くなってからエアコンの修理をすることがないようにしましょうね、という意味合いです。

暑い時期はエアコンの修理が混みあい、なかなか修理に着手できなくなる場合があります。そうなると暑い中何日もエアコン無しで過ごすこととなり、熱中症の危険性も高くなってしまいます。

エアコン試運転のメリット

修理に時間が掛からない

エアコンは、夏の暑さのピークになる7~8月に最も稼働します。したがって、修理やお問合せも7~8月に集中します。

窓口が混みあっていると、修理まで数日~数週間お待たせしてしまう場合がございます。4~5月に試運転を行い、早めに不具合に気が付けば速やかに修理対応を行え、安心して夏本番を迎えることが可能になります。

熱中症の予防になる

上記の通り、暑さのピークを迎えてからエアコンの不具合に気づき、修理を依頼したとしても、何日もお待たせしてしまう可能性があります。

夏の暑い時期にエアコン無しで過ごすと、不快であるばかりか熱中症になる危険も伴います。東京都福祉保健局 によると、令和2年夏期の熱中症死亡者(屋内死亡者)の内、約9割の方が故障も含めてエアコンが使われていない状態だったそうです。

大げさではなく、エアコンの試運転が命を守ることにつながると言えるでしょう。

エアコンの試運転の方法

試運転前の事前確認

ブレーカー・電源プラグが入っているか

電源プラグ

オフシーズン時に、節電のため電源プラグを抜いたりブレーカーを切っていたりする場合があります。これらが接続されているかを確認しておきましょう。

電源プラグにほこりが溜まっていないか

エアコンの電源プラグは高い位置にあるのが一般的であるため、目に届きにくい場合があります。電源プラグとコンセントの隙間にほこりが付着していると、発火の恐れがあります。ほこりが溜まっていた場合は拭き取っておきましょう。

フィルターが汚れていないか

フィルターが汚れていると、異臭の原因になったり冷暖房の効率が悪くなったりします。汚れている場合は掃除をしておきましょう。

排水ホースから水が流れる状態になっているか

長時間使っていなかった排水ホースには、ごみが詰まっていたり、先端が持ち上がって逆流するようになっていたりする場合があります。このような状態になっていると排水が正しく行えず、室内機の水漏れに繋がります。事前にチェックしておきましょう。

リモコンが正しく動作しているか

リモコン

リモコンが正しく動作しないとエアコンは運転できません。電池が残っていない場合は新しいものに取り換えておく、その他の故障がないかを事前に確かめておくなどをしておきましょう。

試運転の方法

冷風の確認

冷風の確認

まず、設定温度を最低温度(16~18℃) にし、その後10分程度運転します。その際、冷風がしっかりと出ているか、何らかの異常を示すランプが点いていないかなどを確認しましょう。

正常運転の確認

正常運転の確認

さらに30分程度運転を続けます。室内機から水漏れや異音・異臭がしていないか、室外機からも異音・異臭がないかを確認しましょう。

なお、各メーカーごとに手順が異なる場合がありますので、詳細はお持ちのエアコンのメーカーホームページを確認しておくことをおすすめします。 当店で取扱いのあるメーカーは、下記のとおりです。

各メーカーごとの手順

参考ホームページ

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