EV充電器の購入・設置工事は「CEVインフラ補助金」が利用できる!補助率も紹介

EV充電器の購入・設置工事は「CEVインフラ補助金」が利用できる!補助率も紹介

最近、街で見かけることが増えてきた電気自動車(EV・PHEV)。電気自動車だけでなく、稼働に欠かせないEV充電器の設置についても補助金が用意されています。CEVインフラ補助金についてご紹介します。

電気自動車を街で見かけることが増えてきたと感じる方も多いのではないでしょうか。
現在販売されている自動車の30%は電気自動車となっており、環境保護の観点から国は2030年代半ばまでに新車販売の電気自動車100%を目指しています。
補助金なども充実していてこれからさらに増えていく電気自動車ですが、自動車を稼働させるのに欠かせない充電器の設置についても補助金が用意されています。
この記事では、CEVインフラ補助金についてご紹介します。

CEVインフラ補助金とは?

クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金が正式名称で、略してCEVインフラ補助金と呼ばれます。

クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)という制度もありますが、こちらは車の購入をサポートする補助金であり区別されています。

EV充電器の購入や工事も「CEVインフラ補助金」の対象

CEVインフラ補助金は、充電器本体代金と充電器設置工事費用が補助の対象となっています。

高速道路や道の駅、ガソリンスタンドにおいては充電器本体代金・工事費用ともに100%の補助を受けられるのが特徴です。

EV充電器の「CEVインフラ補助金」対象者

補助金の対象者は地方公共団体・法人・法人格を持たないマンション管理組合・個人(共同住宅のオーナー、共同住宅の居住者、月極駐車場の所有者、月極駐車場の契約者など)です。

国の省庁・経済産業省から補助金交付の停止措置対象の方・個人で事務所や工場に充電設備の設置を検討している方は対象から外れます。

上記の条件では一般家庭への設置はできないことになりますが、V2H補助金という別の補助金が用意されています。

EV充電器の「CEVインフラ補助金」対象施設例

CEVインフラ補助金の対象は、以下にあげる10の事業です。

EV充電器の「CEVインフラ補助金」対象となる設備

CEVインフラ補助金の対象となる設備は、普通充電と急速充電に分かれます。本項目では、普通充電器と急速充電器それぞれの特徴・価格・工事費用・充電時間などを解説します。

EV充電器の普通充電と急速充電の違い

出力数の違いで普通充電と急速充電を区別します。普通充電器の出力は3〜6kWで、家庭や宿泊施設などで使用されます。

3kW充電器を使用する場合、40kW容量の自動車で17時間充電すると満タンになります。

急速充電器は出力10〜150kwで商業施設などで使用されます。
100kWの充電器であれば、40kWの自動車なら30分で充電が完了します。

普通充電器

特徴

一般家庭や職場、コインパーキング、商業施設や宿泊施設で設置されています。
価格は15万円〜30万円、工事費用は20万円〜30万円が相場です。

充電時間は40kWの自動車で充電出力3kWの機器であれば17時間前後となっています。
基礎充電や目的地充電が用途となる充電器で、自宅での充電や買い物中の充電など、長時間の駐車を想定しています。

ポイント

導入・維持コストが低い、バッテリーへの負荷が少ない、大きなスペースを必要としない点がメリットで、唯一充電時間が長い点がデメリットです。

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急速充電器

特徴

高速道路SA・PA、道の駅、商業施設、ガソリンスタンドなど短時間の滞在が想定される施設で設置されます。

本体価格は200万円〜1000万円、工事費用の相場は200万円〜1000万円です。
40kWの自動車に充電出力100kWの機器を使用すると、30分前後で充電が完了します。
道中や充電し忘れなどの経路充電、短時間滞在の利用人数が多い施設で多く採用されています。

ポイント

急速充電器のメリットは充電スピードです。
緊急時や短時間の滞在でも大いに活躍してくれます。
ただし、導入・維持コストが高い、バッテリーへの負荷が大きい、大きなスペースが必要といった点はデメリットです。

EV充電器の「CEVインフラ補助金」補助率

本体機器の補助率、工事費用の補助率を表にまとめています。

普通充電器の補助

事業区分 事業 機器費用の補助率 工事費用の補助率
経路充電 高速道路SA・PA
道の駅
給油所
公道
50%以内 上限35万円 100%以内
※既存設備の撤去を含む場合は50%以内 上限135万円
※高圧受変電設備の設置が有る場合は上限735万円
目的地充電 商業施設
宿泊施設
基礎充電 マンション
月極駐車場
事務所・工場

急速充電器の補助

充電タイプ 施設 機器費用の補助率 工事費用の補助率
経路充電 高速道路SA・PA
道の駅
給油所
公道
100%以内
※50kW未満の場合は50%以内 上限1500万円
100%以内 上限108〜3700万円
※導入機器の出力数と仕様により変動
目的地充電 商業施設
宿泊施設
100%以内 上限108〜880万円
※導入機器の出力数と高圧受変電設備の設置の有無により変動
基礎充電 マンション
月極駐車場
事務所・工場
50%以内
上限750万円
100%以内

上限108〜740万円
※導入機器の出力数と高圧受変電設備の設置の有無により変動

EV充電器の「CEVインフラ補助金」申請の流れ

CEVインフラ補助金の手続きについてご紹介します。

申請から給付の流れ

交付申請・設置工事・実績報告の順に手続きを進めます。

  1. 交付申請:オンライン申請システムにて手続きをおこない、センターにて書類審査後、交付決定通知書を発行します。
  2. 設置工事:充電設備の発注や設置工事を開始。計画変更があれば申告して審査を受ける。設置工事および支払いを完了させます。
  3. 実績報告:期限までにオンライン申請システムにて実績報告書を提出する。センターにて実績審査をおこない、補助金額を確定する。補助金額の確定通知書を発行し、補助金が交付・受領します。

申請期限について

交付申請の期限は令和5年3月31日(金)から令和5年9月29日(金)までとなっており、最終提出期限までにオンライン申請システムにて申請ボタンを押された交付申請までが有効です。

なお、設置工事を開始してからおこなう実績報告の通常交付申請については、令和6年1月31日(水)が期限となっており、工事または支払い完了の日から30日以内が申請の目安です。

申請に関する注意点とポイント

交付申請は令和5年9月29日(金)までではありますが、申請の累計額が予算額を超えると予想される場合には、期限が前倒しになる可能性もあります。

また、実績報告申請については、実績報告の略式交付申請が令和5年11月30日(木)に設定されています。

実績報告の通常交付申請も同様ですが、期限を超えて申請することはできません。
最終報告期限を過ぎた場合は実績報告として受理されないため注意してください。

現在利用可能な制度は?

令和4年度補正予算と令和5年度当初予算の「CEVインフラ補助金」における、「充電インフラ導入補助事業」および「水素充てんインフラ整備補助事業」が現在利用可能な制度になります。

令和4年度補正予算「CEVインフラ補助金」については以下の3事業が当初の制度としてスタートしました。

しかし、V2H充放電設備/外部給電器導入補助事業における交付申請受付終了のお知らせにより、令和5年5月23日にV2H放充電設備の事業の申請終了がアナウンスされました。

なお、令和5年5月12日のアナウンスにて、令和5年度当初予算における執行機関と事業内容が公表されましたが、以前と変更がないことから、引き続き令和4年度補正予算の補助金と同一の様式にて申請が可能となっています。

EV充電器の「CEVインフラ補助金」は自治体の補助金との併用ができる

CEVインフラ補助金を利用すると、自己負担額は以下のように計算できます。

  1. 150万円(機器費用36万円・工事費用100万円・消費税13.6万円)
  2. 150万円−機器費用50%(18万円)−工事費用100%(100万円)=32万円

設置費用150万円の場合、国の補助を利用すると32万円の自己負担になりますが、自治体の補助金を併用することでより負担を小さくできます。

併用可能な自治体の補助金を紹介

東京都

東京都では事業用や居住者用の充電設備を設置するための助成事業をおこなっています。
さらに、交付を受けた方であれば、維持費や電気料金の支援も受けられます。

大阪府

大阪府では、国による補助金の交付を受けた方に対して、補助対象設備に係る額の50%をサポートしています。
対象施設は、個人宅や従業員駐車場を除く商業施設や飲食施設などです。

福岡市

福岡市では電気自動車や充電設備の購入に対する設置経費の一部を助成しています。
普通充電設備の場合は補助対象経費から国の補助金を差し引いた額の50%(上限100万円、1基あたり上限20万円)が交付されます。

まとめ

EV充電器の拡大は電気自動車普及に欠かせないため、国の後押しを受けながら整備を進められます。
また、国の交付を受けられる機器・工事については地方自治体にて追加の補助金も給付されるので、購入の際は事前に確認をしておきましょう。
具体的なCEV補助金を受けられる商品は、エアコン・家電通販たまたまのEV・PHEV用備品にてご紹介しています。

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