BS・CS放送が見たい!アンテナの選び方と種類、設置方法を解説!

BS・CS放送が見たい!アンテナの選び方と種類、設置方法を解説!

現在のテレビ放送では、地上デジタル放送に加え、BS・CS放送などの衛星放送が一般家庭に普及しています。また、新4K8K衛星放送の登場により、より高画質な映像を楽しめるようになり、アンテナの更新を検討する方が増えています。この記事では、BS・CS放送の基礎知識から設置方法まで解説します。

BS・CS放送とは

BS放送・CS放送は「衛星放送」といわれており、人工衛星から各家庭に設置されたアンテナに電波を送って放送を視聴できる仕組みです。

BS放送

BS放送は、放送衛星を使用する放送です。放送衛星とは、一般家庭向けの放送のために打ち上げられた衛星です。
NHKや民放などの地上波の放送を行っている会社がチャンネルを設けており、ドラマや映画、ニュースといった地上波の放送と似た一般向けの番組が放送されています。「WOWOW」「j-sports」などの有料チャンネルのほか、無料で視聴できるチャンネルもあります。

CS放送

CS放送は、通信衛星を使用する放送です。もともとは企業や事業者向けの通信を目的として打ち上げられた衛星ですが、その後1989年の放送法改正により、一般家庭でも受信できるようになりました。
CS放送は基本的に有料であり視聴には契約が必要ですが、BS放送よりも多くのチャンネルが用意されていることが特徴です。専門性の高い番組が多く、スポーツや映画、ドキュメンタリー、趣味娯楽などのチャンネルが用意されているため、自身の好みのチャンネルを契約して楽しめるのが魅力です。

BS・CS放送を見るために必要なもの

BS・CS放送を見るためには、以下の装置が必要です。

衛星放送用のBC・CSアンテナ

paraboraantenna

地デジ用のアンテナとは別に、専用のアンテナを設置する必要があります。なお、BCとCSはひとつのアンテナを共用でき、通称「パラボラアンテナ」と呼ばれます。円盤の形状をしており、ベランダや屋根の上に設置し、人工衛星からの電波を受信します。アパートやマンションなどの集合住宅では、共同受信用にすでに設定されていることもあります。

テレビ・チューナー

視聴するためのテレビのほか、専用のチューナーも必要です。今ではチューナーが内蔵されたテレビが一般的となっていますが、古いタイプのテレビだと内蔵されていないものもあります。自宅のテレビに専用のチューナーが内蔵されているかどうかは、テレビのリモコンを確認し、BSボタンやCSボタンがあるかで判断できます。

分波器・分配器

分波器は、アンテナの電波を分けるための装置で、地デジアンテナとBCのアンテナの電波が混在している場合に使用するものです。BSアンテナを直接テレビに同軸ケーブルで接続する場合は必要ありません。
分配器は、電波の量を分けるための装置で、複数のテレビでBC・CS放送を視聴する場合に設置するものです。テレビが1台だけの場合は、必要ありません。

BS・CSアンテナの選び方

BS・CS放送を視聴するために必要なアンテナは、さまざまな種類が存在しています。以下の3つのポイントを参考にして、適切なアンテナを選ぶ必要があります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

設置場所と用途に合わせたサイズを選択

BS・CSアンテナは、以下のように多くのサイズが用意されています。アンテナのサイズが大きくなるほど、受信の性能が高まります。

一般住宅用 共同受信用
45cm・50cm 60cm・75cm・90cm・120cm

ご家庭に設置するアンテナのサイズは、45cm型が一般的です。ただし、BS放送・CS放送は、日本国土の中心部から離れるほどわずかに電界が弱まるため、電波の弱い地域では、50cm型以上のアンテナを設置するケースもあります。
マンションやビルなどの共同で受信するためのアンテナは、60cm以上の大きなサイズを設置するのが一般的です。

視聴したい番組に適した機種を選択

従来の2K放送のほか、新4K8K衛星放送があり、BS・CS放送を視聴するには、新4K8K衛星放送に対応したアンテナを選ぶのがおすすめです。
2K・4K・8Kは、解像度(ピクセル)の違いを表しています。2Kは約200万画素であるのに対し、4Kは4倍(約800万画素)、8Kは16倍(約3300万画素)となり、数値が大きくなるほど大画面でも高精細で鮮やかな映像が楽しめます。
現在販売されているテレビ・チューナーは4K・8Kが主流になってきており、BS・CSアンテナもほとんどが4K・8Kに対応しています。
お持ちのテレビが従来の2K放送にしか対応していない場合でも、4K8K対応のアンテナを利用でき、後々4K8K対応のテレビに買い換えた際にも、アンテナは交換せずにそのまま利用できるといった利点があります。
ただし、CS放送のチャンネル「スカパー!プレミアムサービス」のみ、専用アンテナと専用チューナーが必要となるため、視聴を希望する場合は注意が必要です。

BC45RL マスプロ 4K8K放送(3224MHz)対応 BS・110°CSアンテナ

BC45RL マスプロ 4K8K放送(3224MHz)対応 BS・110°CSアンテナ

BS放送(右旋円偏波、左旋円偏波)と110°CSデジタル放送(右旋円偏波、左旋円偏波)が同時に受信できます。域別仰角目盛に合わせやすい調整用目盛がある取付金具ですから、仰角の調整がスムーズに行えます。

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BC453SCK DXアンテナ 4K8K衛星放送対応 BS・110度CSアンテナセット

BC453SCK DXアンテナ 4K8K衛星放送対応 BS・110度CSアンテナセット

設置に便利なベランダ用取付金具をセット。方向調整が簡単に行えるレベルインジケーター付!本体の組み立ては、反射鏡へコンバーターアームをボルト1本で取り付けるだけ。 一般家庭での使用に最適です。

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建物の外観に調和するカラーを選択

アンテナのカラーも、選ぶ際に押さえておきたいポイントです。アンテナは屋根の上やベランダなどに設置するため、建物の周囲から見えます。方角や周辺の道路などの状況によって、目立つ位置に設置しなければならないケースもあり得ます。
そのようなケースでは、建物の外観に調和するカラーを選ぶのがおすすめです。たとえば建物の外観がブラックやダークトーンの場合、白いアンテナを設置すれば悪目立ちしますが、黒いアンテナを選べば外観のカラーになじんでくれます。
アンテナのメーカーによっては家の外観にあわせて選べるように、ホワイトとブラックの2色を用意しています。建物の外観が、ホワイトやベージュなどのライトトーンであれば「白いアンテナ」、ブラックやネイビーなどのダークトーンであれば「黒いアンテナ」を選ぶとよいでしょう。

BS・CSアンテナの設置手順

ここでは、BS・CSアンテナを設置する手順を紹介します。(一般的な取り付け位置となる、ベランダの手すりを想定した手順です。)

金具の取り付け

  1. アンテナに付属されている金具を専用の紐で結びます。高所からの落下によって、建物の破損や通行人への危害を与えてしまうリスクを防止するためです。
  2. 水平器を使い、手すりに対して金具が水平になるように設置します。水平器は、iPhoneの標準アプリで代用できます。

アンテナ本体の組み立て作業

【アンテナ本体のパーツ類】

【アンテナ本体の組み立て作業】

  1. 反射板の裏側に、コンバーターアームを差し込んでボルトで固定します。
  2. 同軸ケーブルに防水キャップをはめ込み、コンバーターとつなぎます。

組み立てたアンテナを金具に固定

アンテナ本体を組み立てたら、取り付け金具のポール部分にアンテナを設置します。あとでアンテナの角度を調整する必要があるため、ここではしっかりと固定せずに仮止めする程度に留めておきます。

同軸ケーブルをテレビ端子まで配線して接続

同軸ケーブルを屋内へと引き込み、テレビ端子(BS・BS110°CS)に差し込みます。同軸ケーブルはエアコンのダクト穴や換気口から引き込むか、このような穴がない場合は「隙間ケーブル」を使います。隙間ケーブルは、窓やドアの隙間にはさんでケーブルを引き込める便利なパーツで、500円ほどから販売されています。
ただし、ケーブルが長くなれば複数の中継栓が必要となり、受信性能が弱まる可能性があります。ケーブルは最短距離で配線できるのが望ましく、エアコンのダクト穴から引き込むのがもっとも簡単な方法です。

受信レベルを確認しながらアンテナの方向を微調整

アンテナ本体の仰角(上下角度)と方位角(東西南北)を調整します。

  1. 仰角は各地域によって異なります。付属されている取扱説明書に記載されている、地域ごとの仰角を確認しましょう。
  2. 方位角は全国共通で、東経110度(日本からみると南西方向)に向けて設置します。方位磁石がなければ、iPhoneの標準アプリを使っても調べられます。

BS・CSアンテナ設置の注意点

BS・CSアンテナを設置する際は、以下の点に注意が必要です。

アンテナを東経110度(人工衛星の位置)に正確に向ける

BS・CSアンテナは、東経110度の方角に正確に向ける必要があります。BS放送の放送衛星とCS放送のおもな通信衛星は、東経110度に位置しているからです。
なお、東経110度は日本からみると南西方向にあたりますが、各地域によって正確な方角は異なります。角度がミリ単位でズレただけでも、受信性が大きく低下することもあります。BS・CSアンテナの設置時は、東経110度に安定して向けられる位置を選び、仰角と方位角をしっかりと調整して、受信性がもっとも高まることを確認したうえで固定しなければなりません。

衛星方向に障害物のない場所を設置位置に選ぶ

BS・CSアンテナは、東経110度の方向に向けて設置することに加え、衛星方向に障害物がない場所を選ぶことも重要なポイントです。衛星放送から送られる電波は光と似ており、障害物を乗り越える力が弱い性質があります。建物や山間部だけでなく、少しの障害物でも電波が遮断されて、受信に影響を与えてしまいます。電柱や樹木、洗濯物などが障害物となる可能性がありますし、設置する際は大丈夫だったけれど夏になって枝葉が覆い茂り、受信障害が発生してしまうというケースもあります。
そのため設置する時はもちろんのこと、季節や環境の変化も考慮する必要があります。障害物が発生する可能性の低い場所を選ぶのがポイントです。

コンバーターの電源設定を正しく行う

コンバーターは、電波の周波数を変換する電子機器のことで、人工衛星から受信した電波をテレビ放送に合った周波数帯に変換する役割があります。コンバーターの作動には電源が必要となり、電源を供給するための環境を設けなければなりません。
しかしBS・CSアンテナは基本的に、コンセントに接続できるケーブルはついていません。屋外に設置することがほとんどであり、電源ケーブルを使用すると劣化してしまい漏電や関電などのリスクがあるからです。そのためコンバーター部分からテレビ側に電波を送信するための同軸ケーブルが、電源の供給も同時に行う仕組みになっています。
特定のテレビから給電する場合、テレビの設定画面から「BSアンテナ電源をオン」にする操作が必要となり、テレビのメーカーによって詳細の設定方法は異なります。テレビの取扱説明書やメーカーの公式サイトを確認して、電源設定を正しく行う必要があります。

新4K8K衛星放送は専用の対応機器が必要

すでに紹介したように、新4K8K衛星放送を視聴するためには、それに対応したアンテナとテレビ、チューナーが必要です。
従来の2K放送や、BS放送のNHKと各民放の4Kチャンネルは、人工衛星から送信される「右旋円偏波」という電波を受信して放送しています。それに対して新4K8K衛星放送の各チャンネルは、新しい電波である「左旋円偏波」を利用して放送されています。そのためBS・CS用アンテナでは、一部の4K放送を除いて新4K8K衛星放送は視聴できません。
またBS・CSアンテナで受信した右旋円偏波(従来の放送電波)と左旋円偏波(4K8Kチャンネルの主な電波)のそれぞれは、コンバーターで最適な電波に変換する必要があります。そのため新4K8K衛星放送対応のBS・CSアンテナとテレビ、チューナーだけでなく、ブースターや分配器、ケーブルなども新4K8K衛星放送に対応してなければなりません。

EP3UB マスプロ UHFブースター EP3UB 4K・8K対応 UB45SS相当品

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強電界地域・中電界地域・弱電界地域で幅広く使えるトリプルブースター。テレビ信号を増幅して、テレビ画面の乱れをなくします。万が一ショートや断線をした場合は表示灯でひと目で分かる異常お知らせ機能付きです。

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JLS2W-P マスプロ TV接続ケーブル 2m 4K・8K衛星放送(3224MHz)対応

JLS2W-P マスプロ TV接続ケーブル 2m 4K・8K衛星放送(3224MHz)対応

4K・8K衛星放送(3224MHz)対応 ケーブル長:2m

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BC45RL-SET マスプロ 4K8K放送(3224MHz)対応 BS・110°CSアンテナ セット

BC45RL-SET マスプロ 4K8K放送(3224MHz)対応 BS・110°CSアンテナ セット

アンテナ取付金具などが入った便利なセット 。4K・8K衛星放送(3224MHz)対応機器。 BS放送(右旋円偏波、左旋円偏波)と110°CSデジタル放送(右旋円偏波、左旋円偏波))が同時に受信できます。 アンテナ設置時の作業性を考慮した方向調整しやすい取付金具です。

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雨雪による電波の減衰に注意する

衛星放送は、大雨や雪によって受信障害が起こることがあります。電波は水分に吸収されやすい性質があるうえに、大粒の雨・雪によって、さらに電波が吸収されたり乱反射したりして電波の状態が悪化します。
雨雪による電波の減衰は特性上避けられない問題ですが、一般のご家庭では50cm型、60cm型とアンテナのサイズを大きくして、受信性能を高めることである程度の改善が可能です。また雪の多い地域では、融雪装置がついたアンテナの設置がおすすめです。
ただし大型のアンテナは風による影響を受けやすく、角度がズレないようにしっかりと固定する必要があります。

地域による電波強度の変動を考慮する

衛星放送は、東経110度に位置する人工衛星から、日本の国土全域に向かって電波を放射しています。しかし北部や南部、離島などの一部のエリアでは、人工衛星から電波が到達するまでの距離が中心地に比べると遠くなります。その分電波の減衰が生じてしまい、受信性も低下します。
そのため地域によっては、一般家庭であっても45cm型のアンテナではなく、50cm以上の大型のアンテナを設置する必要が出てくるため注意が必要です。

地デジアンテナとBS・CSアンテナの形状の違いに注意する

BS・CSアンテナを購入する際は、「UHFアンテナ(地デジ用のアンテナ)」と間違えないように注意してください。地上デジタル放送の視聴にも、アンテナの設置が必要ですが、BS・CSアンテナとは仕様が異なるものです。UHFアンテナは、魚の骨のような形状をしており屋根上に設置するタイプの「八木式アンテナ」のほか、壁面に設置できる「平面アンテナ」、室内に設置できる「室内アンテナ」があります。

マンション設置時は管理会社に事前相談が必要

賃貸マンションなどの集合住宅にBS・CSアンテナを設置する際は、管理会社やオーナーに事前の相談が必要です。ベランダなどにアンテナの設置を禁止している場合もあるからです。
ベランダに設置する場合、アンテナ購入時に付属されている金具で対応できますが、設置場所によっては専用の金具を購入しなければならないこともあります。

まとめ

以上、BS・CS放送を視聴するためのアンテナについて、選び方や設置方法などを解説しました。BS・CSアンテナは、視聴したい番組やお住まいの地域、設置する環境などを考慮して、最適なものを選ぶ必要があります。またBS・CSアンテナを設置するには、方角や障害物、屋内へのケーブルの引き込みなどのいくつかの注意点があるため、今回紹介したポイントをぜひ参考にしてください。

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