お風呂を定期的に掃除している方でも、浴室乾燥機の手入れを見落としがちです。浴室乾燥機にはホコリやカビが予想以上に蓄積します。この記事では、浴室乾燥機の効果的な掃除方法と、汚れを防ぐためのメンテナンス方法をご紹介します。
浴室乾燥機の掃除が必要な理由
浴室乾燥機は、浴室の水気を乾燥させ、天候に関係なく洗濯物を乾かせる便利な設備です。
この機器は空気中の湿気を吸い取る際、ホコリや粉塵も同時に吸い込みます。吸気口にはフィルターが設置されていますが、一部の汚れは内部まで侵入してしまいます。そのため、フィルターと内部の定期的な清掃が欠かせません。
フィルターや内部の汚れを放置すると、次のような問題が発生する可能性があります。
- ホコリや汚れが浴槽や洗濯物に落下する
- カビが発生し、悪臭や健康被害の原因となる
- 換気・乾燥効率が低下し、乾燥時間が長くなって電気代が増加する
このような問題を防ぐため、定期的な清掃が重要です。なお、一部の機種ではフィルター清掃が必要な時期をランプで知らせる機能が付いています。
浴室乾燥機が汚れる主な原因
浴室乾燥機になぜ汚れがたまるのでしょうか。先ほど簡単に触れましたが、ここでは主な原因について詳しく説明します。
ホコリや粉塵の蓄積
浴室乾燥機は室内の空気を吸い込み、湿度を取り除いてから室内に送り返します。この過程で空気と一緒にホコリや粉塵も吸い込まれ、フィルターや内部に徐々に蓄積していきます。
浴室は毎日掃除していてもホコリは避けられません。洗濯物から出る糸くずや綿ホコリ、外気からの粉塵も汚れの原因となります。
カビの発生
お風呂場は浴槽のお湯やシャワーの使用により、カビが発生しやすい環境です。カビが発生する条件は以下のとおりです。
- 温度が20℃~30℃
- 湿度が60%以上
- カビの栄養分(皮脂やホコリなどの汚れ)
浴室乾燥機も同じ環境にさらされるため、水分や汚れが放置されると内部にカビが発生する可能性があります。
自分でできる浴室乾燥機の掃除手順
浴室乾燥機を清潔に保つには、定期的な掃除が欠かせません。ここでは、ご家庭でできる掃除方法をご紹介します。なお、掃除方法は機種により異なりますので、必ず取扱説明書をご確認ください。
電源を切る
安全のため、まず電源スイッチを切ります。これは掃除中の予期せぬ作動によるケガや故障を防ぐためです。より安全を期す場合は分電盤のブレーカーも切れますが、照明も消えて作業がしづらくなるため、電源オフだけでも十分です。
「乾燥」や「暖房」機能を使用した直後は本体が熱くなっているため、十分に冷めてから掃除を始めましょう。
フィルターを取り外す
本体からフィルターを取り外します。高所での作業となるため、脚立や椅子を用意しておくと便利です。
フィルターの取り外し方は製品により異なります。スライド式の取手付きタイプや、ネジ固定式のものがありますので、事前に取扱説明書で確認してください。ネジ式の場合は、ネジの紛失を防ぐため排水口にフタをしておきましょう。
フィルターには多くのホコリが付着しているため、周囲に飛び散らないよう慎重に取り外します。
フィルターを清掃する
フィルターの下側に付着したホコリを掃除機で吸い取ります。その後、上側からシャワーで水洗いします。四隅や目地の細かい汚れは、古歯ブラシで優しくこすり落とします。
頑固な汚れには中性洗剤を使用し、スポンジで優しく洗います。洗剤は完全に洗い流してください。
パネルを取り外す
製品によってはパネルの取り外しが禁止されており、フィルターの清掃のみ可能な場合があります。取扱説明書で確認し、取り外し不可の製品は外側を固く絞ったタオルで拭くにとどめましょう。
取り外し可能な製品は、多くの場合ネジ止めされています。ドライバーでネジを外すとパネルを取り外せます。
パネル内部を掃除する
パネルにもホコリやカビが付着している可能性があります。フィルター同様に水洗いし、中性洗剤とブラシやスポンジで汚れを落とします。
内部の清掃は感電や故障の危険があるため注意が必要です。取り外せない部分は見える範囲のホコリを拭き取る程度にとどめ、精密機器である内部には洗剤を使用しないでください。必ず取扱説明書の指示に従って作業を行います。
部品を元の位置に戻す
清掃後の部品は、完全に乾燥させてから取り付けます。水分が残っているとカビの原因となるためです。
水洗い後は乾いたタオルでしっかり水分を拭き取り、風通しの良い日陰で乾燥させます。変形や破損の恐れがあるため、直射日光やドライヤーの使用は避けてください。
浴室乾燥機の掃除の頻度
浴室乾燥機の掃除は必要だと理解していても、適切な頻度がわからない方は多いでしょう。フィルターとパネルの標準的な掃除頻度は以下のとおりです。
- 浴室乾燥機のフィルター:月1回
- フィルターは月1回の清掃が目安です。フィルターが汚れると乾燥・暖房の効率が低下するため、定期的なお手入れが重要です。
- 浴室乾燥機のパネル:週1回
- パネルは水分が直接当たりやすい箇所です。週1回を目安に外側の汚れを拭き取りましょう。こまめな拭き掃除で水垢の付着も防げます。
パネルの内部清掃は、フィルターと同様に月1回程度が適切です。
ただし、これらはあくまで目安であり、機種やメーカーによって推奨頻度が異なります。取扱説明書の指示に従って適切なお手入れを行いましょう。
浴室乾燥機のカビと汚れを予防する方法
浴室乾燥機の掃除は重要ですが、こまめなお手入れは面倒なものです。カビや汚れが蓄積すると掃除に時間がかかり、より億劫になってしまいます。そこで、日頃からカビや汚れを防ぐ工夫をすることが大切です。
浴室使用後は十分に乾燥させる
お風呂を使用後は、しっかりと乾燥させることが重要です。湿度が高いとカビが発生しやすい環境となるため、浴室の水分をしっかりと取り除きましょう。
換気機能の使用に加え、スクイージーで水分を除去し、タオルで拭き取ることで、より効果的に乾燥を促進できます。
浴室乾燥機の専用フィルターを使用する
市販の専用フィルターを吸気口に貼り付けることで、お手入れが簡単になります。シールのように貼り付けられ、汚れが溜まったら交換するだけです。ただし、乾燥能力がやや低下する点は考慮が必要です。
専用フィルターの使用は、浴室乾燥機の汚れ具合や清掃頻度を考慮して判断しましょう。
月に1回を目安にフィルターを掃除する
月1回のフィルター掃除は欠かせません。浴室の乾燥や専用フィルターの使用で汚れやカビを抑制できますが、完全に防ぐことはできないためです。
フィルターが汚れると運転効率が低下し、換気や乾燥に時間がかかるようになります。その結果、カビが発生しやすい環境が続いてしまいます。性能を維持し清潔に使用するため、定期的な掃除を心がけましょう。
定期的に浴室全体を掃除する
フィルターの汚れは、空気中のホコリ、衣類の糸くず、外気の粉塵などが原因です。浴室内に汚れが溜まるとフィルターも汚れやすくなるため、浴室全体の清掃も重要です。
浴室の天井や窓の掃除と合わせて、浴室乾燥機も掃除する習慣をつけるとよいでしょう。
乾燥・暖房機能を活用する
浴室乾燥機の乾燥・暖房機能を積極的に活用しましょう。
換気扇の使用や水気の除去だけでは、特に梅雨時期は乾燥が不十分になりがちです。掃除後やお風呂の使用後は、1〜2時間ほど乾燥・暖房機能を使用することでカビを予防できます。
まとめ
浴室乾燥機は空気を吸い込む仕組み上、ホコリや粉塵も内部に取り込まれ、使用とともにフィルターに汚れが蓄積します。また、浴室特有の高温多湿な環境により、乾燥機内部にもカビが発生する可能性があります。
これらの汚れを放置すると、浴室内へのホコリの落下や悪臭の原因となり、さらに乾燥機の運転効率も低下してしまいます。
定期的な掃除が浴室乾燥機の維持には不可欠です。ただし、メーカーや機種によって適切な掃除方法・頻度が異なるため、必ず取扱説明書を確認してからお手入れを行いましょう。