EV充電器を家庭で使うためのポイントと注意点

EV充電器を家庭で使うためのポイントと注意点

電気自動車(EV)の需要が高まる中、充電方法が気になる方が増えてきました。自宅充電のメリット・デメリットから充電器の種類、設置の注意点まで、この記事で詳しく説明します。家庭用EV充電器を考えている方は、ぜひご覧ください。

近年、電気自動車(EV)の普及とガソリン価格の高騰に伴い、買い替えや購入を検討する人が増えてきました。電気自動車を購入する際、気になるのは充電方法でしょう。電気自動車の大きな利点は、自宅で充電できることです。しかし、充電器の種類や性能、設置場所や費用など、不明な点が多く、迷ってしまう方もいるでしょう。

この記事では、家庭用EV充電器の特徴をタイプごとに説明します。さらに、自宅に充電器を設置するメリット・デメリットや設置に関する注意点についても詳しく解説します。

家庭用EV充電器の導入を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

家庭用EV充電器は主に2種類

家庭で使用するEV充電器は、「充電ケーブル一体型」、「コンセント型」の2種類に大別できます。各タイプはそれぞれ特徴と価格帯が異なるため、自宅の環境や状況に応じて適切なタイプを選択しましょう。各タイプの特徴と設備について詳しく説明します。

充電ケーブル一体型

充電ケーブル一体型は、車載ケーブルが不要なので充電がスムーズです。ボックス付きのものは、ケーブルを収納でき、見た目もすっきりします。

コンパクトな設計なので設置場所を取りません。駐車場と建物が近い場合は、このタイプがおすすめです。

コンセント型

新築の一戸建てなどには、コンセント型が主に設置されます。

シンプルでコンパクトな設計と低価格が特徴で、手軽に設置できます。狭い駐車場など、壁面に車を近づけて置く場合でも設置が可能です。

ケーブルは付属していないため、車載ケーブルが必要です。しかし、充電のたびにケーブルを出し入れすることに抵抗がない場合は、便利に使用できます。

家庭用EV充電器の設置メリット

EV用充電設備は主に商業施設や高速道路、道の駅に設置されていますが、充電のためにわざわざ外に出て充電スポットを探すのは面倒に感じる方もいるでしょう。

それに対し、家庭用EV充電器を設置すると、自宅で充電が可能になり、充電スポットまでの移動時間や探索の手間が省けます。

以下では、家庭用EV充電器の設置メリットについて詳しく説明します。

好きなタイミングでいつでも充電可能

自宅にEV充電器を設置する最大のメリットは、自由なタイミングで充電ができることです。外出先の充電スポットでは先客がいる場合があり、待ち時間が発生します。混雑時には待ち時間も長くなりますが、自宅ではその心配はありません。 さらに、自宅では電気料金が安い夜間に充電することも可能です。基本的に車を使わない時間に充電するので、その時間を有効に使えます

充電スポットへの移動が不要

電気自動車を所有していても、自宅に充電設備がなければ、充電のたびに設備のあるスポットまで行くと便利さが半減します。また、充電のために毎回外出する手間がかかります。しかし、自宅にEV充電器を設置すれば、充電スポットを探しに行く労力を省けます。

さらに、充電スポットが混雑していてすぐに充電できない場合、待つ時間が発生します。自宅なら待つ必要もなく、時間を有効に使えます。

補助金を活用して設置可能

現在、脱炭素化を目指し国が電気自動車や充電器設置の補助金を提供しています。補助金制度は今後数年間続くと予想されますが、その後は縮小する可能性があります。補助金がある間に導入すれば、コストを抑えることが可能です。

関連記事:EV充電器の購入・設置工事は「CEVインフラ補助金」が利用できる!補助率も紹介

家庭用EV充電器を設置するデメリット

家庭用EV充電器を設置するメリットはたくさん考えられますが、購入を検討するならデメリットも理解したうえで決めたほうが、購入後に何か問題が起こったとしても冷静に対処できます。

実際に購入する際は、きちんとメリット・デメリットのどちらも理解しておくことが大切です。

急速充電ができないため充電時間が掛かる

家庭で設置可能なEV充電器は、100Vまたは200Vの普通充電が一般的です。設置から充電までの手間が少ないのが魅力ですが、その一方で、急速充電器に比べて出力が低いため、充電時間が長くなります。急に車を使いたくなった場合でも、十分な充電がされていなければ、一定の時間待つ必要があります。スムーズに車を使用するためには、出かける日時を事前に決め、充電時間を計画的に確保することが重要です。

充電器本体や工事などのコストが掛かる

EV充電器の自宅設置には、購入と設置工事が必要で、それに伴う費用がかかります。充電器の価格は種類により異なり、初期費用は必ず発生します。しかし、ガソリン代に比べて運用コストは低く抑えられます。そのため、全体の費用を計算し長期的に考えると、お得になるケースも少なくありません。

家庭用EV充電器を設置する際の注意点

家庭用EV充電器を導入する際に押さえておくべきポイントを理解しているか否かは、選び方に大きな影響を与えます。注意点を事前に把握しておけば、「こうすればよかった」と後悔することもないでしょう。次に、家庭用EV充電器の設置にあたっての注意点を紹介します。購入を検討する前に、ぜひ確認してください。

契約アンペア数を確認しておく

一般的な家庭では、多くの場合電気の使用に10A以上のアンペア数を契約します。EV充電器は、3kWの出力で最大15Aの電流が流れます。車の充電中に電子レンジ、洗濯機、アイロンなどの電化製品を同時に使用すると、電力供給が不足し、ブレーカーが落ちる可能性があります。

ブレーカーが頻繁に落ちないようにするためにも、アンペア数を確認しておくことが重要です。特に、IHコンロや大型のエアコンなど電力消費が大きい家電を頻繁に使用する家庭は注意が必要です

コンセントの電圧が200Vになっているかを確認する

EV充電設備を自宅に導入する際、コンセントタイプであれスタンドタイプであれ、100V・200Vから選択可能です。一般的に電気自動車の充電には200Vが必要とされています。100Vは、屋外コンセントをそのまま利用でき、設置費用を抑えられますが、充電に時間がかかります。一方、200Vでは充電時間が約30分で済み、時間を大幅に短縮できます。このため、200Vの選択が推奨されます

分電盤から設置場所までの経路や距離を考慮する

充電設備の取付位置は、事前に業者と十分に相談する必要があります。設備の大きさや種類によりますが、分電盤から設置場所まで余裕のある位置を選び、車との距離が適切であることを確認しましょう。

距離が遠いと追加工事や別途料金が発生することがありますので、基本料金に何が含まれているのかを正確に理解することが重要です。

充電器から充電口までの距離とケーブルの長さを確認する

EV充電器を設置する際には、駐車場と充電器との距離が重要です。充電ケーブルの長さには制限があり、充電器と車両の間に大きな距離があると充電ができないトラブルが発生する可能性があります。したがって、駐車場と充電器の設置場所の距離は、事前に正確に測定しておくことを推奨します。

もしケーブルが足りない場合は、自立スタンドタイプのEV充電器を検討することも考慮に入れてください。また、充電ケーブルの差し込み口は車両によって異なりますので、車の乗り換えを考慮に入れて設置場所を選ぶことも重要です。余裕を持ったケーブルの長さを選ぶことで、将来的に車を買い替えたときも安心できます。

家庭用EV充電器のおすすめ

EV充電器の種類は非常に豊富です。
そのため、無駄な電力を消費しない、コンパクトなタイプがよい、コストパフォーマンスを重視するなど目的に合わせて選ぶことが大切です。

ここではおすすめのEV充電器を紹介します。設置場所や設置方法などスタイルに合わせて選びましょう。

充電ケーブル一体型

DNH326 パナソニック EV充電器 ELSEEV heika S Mode3

壁付け型の充電ケーブル付属タイプです。充電用コネクタを車の給油口に差し込むだけで簡単に充電ができます。6kW充電を行うと、短時間で充電をすることが可能です。オプションのポール材を使えば自立スタンドタイプとしても使えるため、将来的に設置場所が変わり壁付けできない場合でもそのまま使えるのが嬉しい特徴です。

DNH326 パナソニック EV・PHEV充電用 充電器 電気自動車用充電器

DNH326 パナソニック EV・PHEV充電用 充電器 電気自動車用充電器

【パナソニック】6kW標準タイプの電気自動車用充電器。補助金対象商品です。

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DNHA3611パナソニック EV充電器 ELSEEV heika S Mode3

AiSEG2と連携することでスケジュール設定やピークコントロール機能、スマートフォン連携、充電状態の見える化など多くの機能を便利に使えるケーブル5mタイプのEV充電器です。

DNHA3611 パナソニック EV・PHEV充電用 充電器 ELSEEV hekia S Mode3 機器連携タイプ

DNHA3611 パナソニック EV・PHEV充電用 充電器 ELSEEV hekia S Mode3 機器連携タイプ

普通充電に対応したパナソニックのEV充電器です。ケーブル5mタイプです。

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DNHA3612パナソニック EV充電器 ELSEEV heika S Mode3

AiSEG2と連携することでスケジュール設定やピークコントロール機能、スマートフォン連携、充電状態の見える化など多くの機能を便利に使うことができる、ケーブル7mタイプのEV充電器です。

DNHA3612 パナソニック EV・PHEV充電用 充電器 ELSEEV hekia S Mode3 機器連携タイプ

DNHA3612 パナソニック EV・PHEV充電用 充電器 ELSEEV hekia S Mode3 機器連携タイプ

普通充電に対応したパナソニックのEV充電器です。ケーブル7mタイプです。

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Wallbox PulsarPlus EV充電器 6.4kw Wi-Fi/Bluetooth対応

コンパクトなデザインが特徴の出力変更ができるEV充電器です。専用アプリと連携することで充電の管理が可能になります。

Wallbox PulsarPlus EV充電器 6.4kw Wi-Fi/Bluetooth対応

Wallbox PulsarPlus EV充電器 6.4kw Wi-Fi/Bluetooth対応

コンパクトで出力変更可能なEV充電器。Wallboxの専用アプリを連携することで、EVの充電状況の管理や充電スケジュールの設定、リアルタイムで充電出力を6Aから最大40Aまで調整などが可能です。

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コンセント型

コンセント型は充電ケーブルが付属していないため、価格は充電ケーブル一体型よりも安くなります。充電する際には、車載ケーブルを取り出し、電源プラグに差し込んで使用します。充電ケーブルの出し入れを簡単にしたい方には、ケーブルを収納できるボックス付きの機器がおすすめです。

これらは多くがダイヤルロックなどのセキュリティ機能を備えているため、安心して使用できます。ただし、収納ボックス付きの場合、充電器を設置するスペースは十分に確保しておく必要があります。

WK3911K パナソニック EV・PHEV充電用 接地コンセント露出・埋込両用

EV・PHEV充電ボックスや駐車場設備、機能門柱などに取付可能な200V用のEV・PHEV充電専用接地コンセントです。

WK3911K パナソニック EV・PHEV充電用 接地コンセント露出用 15A・20A兼用 200V用

WK3911K パナソニック EV・PHEV充電用 接地コンセント露出用 15A・20A兼用 200V用

EV・PHEV充電用コンセントへ、充電ボックス・機能門柱・駐車場設備などに取付可能なEV・PHEV充電用接地コンセント。露出用/200Vタイプです。

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WK4422S/WK4422B パナソニック EV・PHEV充電用 接地コンセント露出・埋込両用

いたずら防止カバー付きの200V用EV・PHEV充電専用屋外コンセントです。保護カバーを閉じると、簡易鍵で施錠でき、ケーブルへのいたずらを防ぎます。市販の南京錠を取り付けることができる穴も付いています。

WK4422S パナソニック EV・PHEV充電用 接地屋外コンセント 露出・埋込両用 15A・20A兼用 200V用 ホワイトシルバー

WK4422S パナソニック EV・PHEV充電用 接地屋外コンセント 露出・埋込両用 15A・20A兼用 200V用 ホワイトシルバー

充電中のケーブルのいたずらを防止するEV・PHEV充電用カバー付屋外コンセント。保護カバーを閉め、簡易鍵を施錠してケーブルへのいたずら防止ができます。200V用/カラーはホワイトシルバーです。

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WK4322S/WK4322B パナソニック EV・PHEV充電用 接地コンセント露出・埋込両用

これもEV・PHEV充電専用の200V用屋外コンセントで、いたずら防止カバーが装備されています。カバーは鍵で簡単に施錠でき、ケーブルへのいたずらを防ぎます。こちらも市販の南京錠を取り付けることができる穴があります。

WK4322S パナソニック EV・PHEV充電用 接地屋外コンセント 露出・埋込両用 15A・20A兼用 200V用 ホワイトシルバー

WK4322S パナソニック EV・PHEV充電用 接地屋外コンセント 露出・埋込両用 15A・20A兼用 200V用 ホワイトシルバー

EV・PHEV充電用 15A・20A兼用接地屋外コンセント

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まとめ

家庭用EV充電器の魅力は、自宅で好きな時に充電が可能な点です。まだ普及しているとは言えませんが、これから期待される住宅設備です。それゆえ、不明な点が多いかもしれません。導入する前に設置場所やアンペア数、そして有資格者がいる業者などを調べておくことが重要です。

手間に思えるかもしれませんが、事前に調査しておけば導入時にスムーズに設置が可能となります。ぜひ、家庭用EV充電器の導入を検討している方は、この記事を参考にしてください。さい。

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